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東愛知新聞健康コラム

2/23掲載 花粉症を考える2

花粉症を考える2 (H17/02/23)

●花粉症の本当の原因
花粉症は、スギやヒノキなどのさまざまな花粉に過剰反応して起こるアレルギー病です。日本人の5人に1人は花粉症といわれており、近年になって急増した要因として、戦後の造林計画によってスギ花粉の絶対量が増加したためとか、ディーゼル車の排ガスや工場からの大気汚染の影響で鼻の粘膜が弱ったためなどが考えられていました。しかし、最近の研究でもっと重要な要因が指摘されています。それは、腸管免疫系の異常です。
 腸管免疫系とは、腸、特に小腸の免疫システムのことです。小腸は、食べ物を消化・吸収する臓器ですが、それ以外に、体全体の約60%の免疫細胞や抗体をもつ重要な免疫機関でもあります。そのため、小腸の免疫細胞の数や質のバランスが崩れると、アレルギーや自己免疫疾患などの病気になりやすいのです。
 腸管免疫細胞には、「Th1細胞」と「Th2細胞」があり、免疫のバランスが崩れると免疫細胞「Th1細胞」が減り「Th2細胞」が多量に作られるようになります。Th2細胞は、悪玉菌から腸を守るときに増える免疫細胞ですが、腸で多量に作られると、鼻や目などの他の粘膜でも作られ、全身が通常以上に外敵からの警戒にあたる状態になります。鼻や目のTh2細胞は、IgE抗体を作って異物である花粉を排除しようと、鼻水、涙等を出して花粉を洗い流そうとしたり、血管を広げて鼻腔をつまらせて花粉の侵入を防ごうとするのです。
 つまり、花粉症を治すためには、「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスを取り戻すことが大切といえます。腸内免疫系の乱れを改善する方法は、やはり乱れた生活習慣、特に食習慣を改めることにあります。暴飲暴食を控えて、ビタミン、ミネラルの少ないいわゆるジャンクフードを減らし、その上で腸管に優しいヨーグルト、納豆などの発酵食品を食べる等の食習慣の改善が、花粉症を治す第一歩と言えるでしょう。

西田メディカルクリニック 西田 元彦

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