紹介記事・番組

紹介記事・番組

東愛知新聞健康コラム

8/14掲載 日々是漢方1

日々是漢方1  (H14/08/14)

 ●寿命を延ばす
不老長死の薬といえば、秦の始皇帝が徐福に命じて、日本まで不老長死の霊薬を探させた故事は有名です。
もちろん不老長死の薬などあるはずもありませんが、寿命を延ばす漢方薬は数多く伝えられています。後漢時代に書かれたとされる「神農本草経」という本には、365種類の漢方薬が記載され、それぞれの漢方薬を上薬、中薬、下薬のランク分けがされています。ここでいう上薬とは、毒性が少なく長く飲めば重い病気にならない薬、つまり寿命を延ばす薬を指しています。漢方治療の基本は「未病を治す」といって重い病気になってから治すより、事前にならないようにすることの大切さを説いています。また、下薬とは病気を直接治す薬ではあるが、多量に長期間服用すると副作用も強くでる薬を指しています。西洋薬は漢方薬の概念からすると下薬に属することになります。
このように、漢方医学でいう良い薬の意味と西洋医学でいう意味とはその考え方が異なっているのです。私達の周囲にある抗生物質、ステロイドホルモン、鎮痛解熱剤などは短期間では素晴らしい効果を上げることのできる薬で、これらの薬のお蔭で致命的な恐ろしい病気も克服できるようになったのも事実です。しかしこれらの薬は決して長くは飲めません。
現在、いろいろ検査をしても何の異常がないのに体が疲れる、食欲がないなどの症状で悩んでいる人が多くいます。このように病名のはっきりしない病気には、西洋薬はあまり役に立ちません。何となく調子が悪い状態(未病)を改善させることができるのが、漢方薬の上薬といえるでしょう。そして、最近の西洋医学による研究でも上薬の多くが、私たちの免疫力(病気に対する抵抗力)を高めることがわかってきたのです。次回からこれらの上薬と呼ばれる、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、釣藤散(ちょうとうさん)などの漢方薬の働きなどに触れていきたいと思います。
私も上薬を飲むようになったおかげで、最近カゼを引かなくなりました。これも上薬が私の免疫を高めてくれているせいなのでしょうか?
皆さんも、自分にあった寿命を延ばす上薬を飲んでみてはいかがですか。

西田メディカルクリニック 西田 元彦

ホリスティック医学に基づいた、メディカルフィットネスが豊橋に誕生!
ホリスティック医学に基づいた、メディカルフィットネスが豊橋に誕生!