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東愛知新聞健康コラム

8/17掲載 日々是漢方4

日々是漢方4 (H14/08/17)

 ●ボケを防ぐ漢方薬
以前は、脳動脈硬化性痴呆(いわゆるボケ)を改善する効果があるいう西洋薬が何十種類も発売されていました。しかし、厚生労働省が行ったこれらの薬の再評価で、ほとんどの薬は、実際にはボケ症状の改善に効果がないとの結果から発売中止となっています。現在、はっきりした効果が確認されているのはアルツハイマー型痴呆に対して進行を遅らせる薬ぐらいです。
しかし、漢方薬は、脳動脈硬化性痴呆、アルツハイマー型痴呆ともに一定の効果があるとの報告が相次いでいます。痴呆症状に効くといわれる漢方薬には、釣籐散(ちょうとうさん)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などがあげられます。中でも私は釣籐散を広く使用しています。釣籐散の主な成分は、釣籐鉤(ちょうとうこう)と菊花です。釣籐鉤とはカギカズラの茎にあるトゲで、痛み、けいれんを抑えるといわれ、菊花は「目を明らかにする効あり」とされ視力障害、目の疲れに効果があります。実際に、高血圧に伴ういろいろな症状に効果があり、特に朝起きた時に調子が悪く頭が痛い、目覚めが悪いという人には喜ばれています。最近の研究でも脳血流の増加と、ゆるやかな血圧降下作用が証明され、ボケ症状の改善につながっているという感触を持っています。黄連解毒湯についても、脳梗塞などの後遺症で、イライラや不眠のある人に用いられています。ちなみに、黄連解毒湯は酒に弱い人が前もって服用しておくと、酒の回りが遅くなるので、ひどい酔い方をせずにすみます。以前私も飲むぞというときにはこの薬を服用していましたが、それを過信して結局いつも以上に飲みすぎて翌日頭痛に悩まされてしまい、いまはこの薬を服用してからお酒を飲むのは止めています。やはり、適量に心がけるのが一番と言うことでしょう。
いずれにしても、ひいき目かもしれませんが、以前ボケ症状に効くといわれた(現在は否定されている)西洋薬を出していた時よりも、これら漢方薬を飲んでもらったときのほうが、効果が実感できます。ヨーロッパの国々でも、これらの漢方薬の使用が承認され始め、外国から漢方薬によるボケ予防の研究データが届くのを楽しみにしています。

西田メディカルクリニック 西田 元彦

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