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東愛知新聞健康コラム

9/13掲載 日々是養生1

日々是養生1 (H15/09/13)

 ●きまじめ健康オタクは健康か
健康で長生きをするため、健康習慣を絶対視して自分の生活をがんじがらめにしているいわゆる「健康オタク」が増えてきています。しかし、彼らが本当に健康かといえばそうではないのです。
アメリカのブレスロー博士が提唱した健康習慣には、①喫煙をしない、②過度な飲酒はしない、③朝食は毎日食べる、④適正な体重を保つ、⑤7~8時間の睡眠、⑥間食をしない、⑦定期的に少し激しい運動をする。という7項目があります。しかし、この健康習慣にはいくつかの疑問が指摘されています。例えば、多くの人は5~6時間の睡眠で健康が維持できるし、本当に朝食を食べないと病気になるのか議論の分かれるところです。さらに「健康オタク」と呼ばれる人の多くが、これらの事をすべて守らなくてはと考え、生活をがんじがらめにし、このことがストレスとなって体に悪影響を及ぼしている可能性があるのです。
実際に、健康に細かく気をつけても、必ずしも病気の予防にならないという「フィンランド症候群」という報告があります。フィンランドの保健局が成人病の予防について行った研究で、予想とは大きく異なった結果のために有名になりました。実験は40~45才の働き盛りで、しかもストレスのかかる管理職を対象にして、600人には徹底した健康管理(栄養学的なチエック、塩分制限、脂肪制限、酒、タバコの制限など)を、あとの600名は、何も指導せず、放任状態。この状態で15年間健康状態を比較しました。
すると、一生懸命あれこれ指導した人の方が、高血圧、心筋梗塞、さらにガン、自殺なども多く、死亡率が高いことが判明したのです。健康志向を徹底することが却って不健康につながるという皮肉な報告です。
これは何を意味するのでしょうか。過度な肥満は心臓に良くない、塩分が高血圧に良くない、タバコが肺癌によくないなど、一つひとつは決して間違っていません。しかしあまり厳重に自分の生活を縛ってしまうと、却ってストレスのため病気になりやすくなるのではないでしょうか。健康習慣を盲信するよりも、毎日を楽しく一生懸命生きること(生きるのに一生懸命ではだめですよ)、生きがいを持って生活することの方が大切ではないでしょうか。アルコール、タバコを適度に控え、あまり食べ過ぎない、適度な運動を行うなど最低限の基本を守った上で「心の健康」に気をつかう生き方が本当に意味での健康作りではないでしょうか。

西田メディカルクリニック 西田 元彦

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