花粉症の漢方治療と民間治療
花粉症には体を温め、冷えを追い出す食事が大切です。
東洋医学では、食べ物の性質を「熱」「温」「平」「涼」「寒」の5タイプに分けています。
花粉症にかかりやすくなる食生活とは
(1)甘い物、冷たい物の摂りすぎ
(2)食物繊維の不足
(3)インスタント食品の食べ過ぎ
(4)保存料・防腐剤の摂取
(5)季節感のなくなった食卓
現代版医食同源
(1)季節に合った野菜などで食物繊維をたっぷり摂る
便秘に悩んでいる人は特に撮ることの心がける。ただし、生野菜は、思ったより量が食べられない、食べ過ぎると体を冷やすことが多いので煮たり、茹でたりして食べた方がよい。
(2)旬のものを食べる
真夏の暑い時期以外に熱帯地方の輸入食品や、本来夏にとれる野菜(キュウリ、ナス、枝豆など)、果物(スイカ、瓜など)を摂ると体を冷やします。
(3)白糖の入った食品は食べない
白砂糖でできたお菓子類(クッキー、洋菓子など)、飲み物(炭酸飲料、清涼飲料水など)はできるだけ摂らないようにする。
(4)砂糖、塩はできるだけ未精製のものを使う
甘みは三温糖、ハチミツ、黒砂糖などを、塩もにがりが入ったものを使う。
(5)なるべくインスタント食品を減らす
あまり神経質にならない程度に、食品添加物が多く含まれるものは食べないようにする。
冷えを追い出すために
水毒体質を改善するためには、上記の基本的な注意事項に加え、体を温め、冷えを追い出す食事が大切です。東洋医学では、食べ物の性質を「熱」「温」「平」「涼」「寒」の5タイプに分けています。花粉症などの冷え体質になっているひとは、「熱」「温」の食べ物を中心に食べる必要があるのです。
また、比較的四季のはっきりした日本では、春夏にとれる物は涼性、寒性の食べ物、秋冬にとれる物は温性、熱性の食べ物といった感じで、本来季節によって体にあった食品が摂れるようになっているのです。つまり冷え体質を治すには秋、冬に多くとれる食べ物を中心に食べ、夏にとれる食べ物は控えるようにすればよいのです。
また、調理法によっても食べ物の性質は変化します。生食はその食べ物の本来の性質を維持し、加熱すると温める方向に働き、茹でる→焼く→煮る→蒸す→炒める→揚げるの順で温める性質が出現します。
つまり、調理法は生食を避け、煮物、炒め物、揚げ物などを食べるように心がけ、冷寒性の食べ物を調理する時は、温熱性の調味料を使うとよいでしょう。
食べ物の食性を知る
≪野菜類≫
温熱:ネギ、ピーマン、タマネギ、ニンジン、パセリ、シソ、ブロッコリー
レンコン、ショウガ、ニンニク、ニラ
平 :ハクサイ、ダイコン、キャベツ、ギンナン
涼寒:セロリ、ほうれん草、タケノコ、トマト、キュウリ、ナス、レタス、ウリ
≪穀類、いも、豆類≫
温熱:もち米、ジャガイモ、インゲン豆
平 :白米、トウモロコシ、サツマイモ、ソラマメ、落花生、えんどう豆、小豆
涼寒:ソバ、玄米、小麦、はと麦、豆腐、納豆
≪肉類≫
温熱:鶏肉、羊肉
平 :牛肉
涼寒:豚肉、馬肉
≪魚介類≫
温熱:アジ、フグ、ウナギ、エビ、サバ、カツオ、イワシ、マグロ
サンマ、
平 :イカ、アナゴ、アサリ、サザエ、コイ、カレイ、
涼寒:カニ、ハマグリ、カキ、シジミ
≪果物類≫
温熱:アンズ、リンゴ、ミカん、ナツメ、クルミ、モモ、クリ、プルーン
平 :ウメ、ブドウ、イチゴ、レモン、イチジク
涼寒:ナシ、カキ、バナナ、スイカ
≪調味料≫
温熱:こしょう、わさび、からし、さんしょ、とうがらし、黒砂糖。
一般に香辛料は温熱作用があるものが大部分です。涼寒の食品を多く食べる時は、これらの香辛料を使うとよいでしょう。
*冷えを追い出すお勧めジュース*
●リンゴとニンジンジュース
リンゴ1個、ニンジン1/2本、ハチミツ少々を加えてミキサーにかけて混ぜてください。大変手軽ですが、冷えとり効果の高いジュースです。その他、温熱性の野菜や果物をまぜて色々なジュースの楽しんでください。
肥満タイプのための食事
肥満タイプの人は、特に白砂糖の入った甘い物をできるだけ食べないようにする必要があります。このタイプの人は、栄養の取りすぎに注意しなくてはいけませんが、体重を減らそうとして、主食であるご飯を止めて、生野菜をバリバリと食べてダイエットする人がいますが、今まで以上に体を冷やしてしまい、冷え症状、花粉症症状がひどくなってしまうのです。花粉症症状が強い時には、水のバランスを整えるため、水をとる食べ物を食べましょう。しかし、水をとる食べ物には、体を冷やす「涼寒」の食性をもつ物が多いので注意が必要です。このタイプの食べ物を摂るときには、茹る、蒸す、炒めるなどの調理したり調味料を加えたりして、食性を温める方向にもっていってください 。
水をとる食べ物
≪穀類、豆類≫
ソバ(涼)、トウモロコシ(平)、はと麦(涼)、小豆(平)、豆腐(涼)
≪野菜類≫
ハクサイ(平)、ダイコン(平)、春菊(涼)、モヤシ(寒)タマネギ(温)、トウガン(寒)
≪魚介類≫
コイ(平)、アジ(平)、フグ(温)、アナゴ(平)、カレイ(温)、イワシ(温)、アサリ(平)、シジミ(寒)、ハマグリ(寒)
*花粉症で苦しい日にとる鍋物料理*
●鶏の味噌鍋
鼻水やクシャミに悩まされている夜は、水をとる作用のあるハクサイ、春菊、モヤシなどの野菜と体を温める鶏肉のたっぷり入った味噌鍋はいかがでしょうか。味噌と鶏肉の保温作用に加えて、野菜類の水をとる作用で花粉症の症状がとても楽になります。