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東愛知新聞健康コラム

10/4掲載 日々是養生4

日々是養生4 (H15/10/04)

●死について考える
養生と死というものは、相対するもののように思われますが、実は死について考えるということは、より人間らしく生きるということでもあるのです。誰でも死ぬ事は嫌ですから、考えたくないと思います。しかし、死は誰も避けることのできないものなのです。
最近の精神神経免疫学の研究でも、「人間は最悪の事態を想定し、その準備をすると生きる意欲、免疫力が大幅に高まる」ということが証明されています。死に対して漠然とした不安を持っているより、自分の死に備えて、今できることを準備しておくことで、毎日を生きがいを持って生きることができるのです。
準備といっても何も特別なことではありません。仕事の引き継ぎができやすいようにいつも整理しておく。親しい家族、友人への形見分けを決めておく。不治の病になったとき延命治療を受けたくない人は、尊厳死協会などに入りその意思を明確にしておく事、自分流の葬儀の仕方を話しておくなど、今できる準備をしておくということなのです。実際に自分の葬儀に流す言葉を録音している人、死後に出す挨拶状を書いている人もいます。
現在、健康な人にとって、死を考えることは、なんとなく抵抗があるかもしれません。しかし、ホスピスのように、死を前提にして残された時間を過ごすのわけではなく、死を前提にするのではなく、人間はいつか死ぬのだから、いつ死ぬにしても今日一日を精一杯しっかり生きようという考え方で、決して後向きではなく、前向きの考え方なのです。20才の若者にとっても、70才の人にとっても、今日という一日の長さは同じ24時間です。老若男女を問わず、今日一日は同じ価値をもつ一日だという発想が大切です。
このように死について考えることは、毎日が充実した、潤いのある生活を送るために大切なことではないでしょうか。

西田メディカルクリニック 西田 元彦

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