東愛知新聞健康コラム
花粉症を考える1 (H17/02/22)
●2005年は受難の年
昨シーズンは、冷夏の影響でスギの花粉が少なかったため、花粉症の人にとっては珍しく気持ちよい春だったのではないでしょうか。しかし、本年は、昨年の猛暑の影響で記録的な“スギ花粉大飛散年”になるという予想が出ています。
愛知県でみると、今年は、昨年のなんと約35倍、平年と比べても約1.7倍の飛散量とのことです。政府の中に対策本部ができ、経済活動の低下を危惧する声、テレビのコメンテーターが「これは環境問題である」と発言するなど、花粉症はすでに社会問題となっているように思います。
いずれにしても花粉症に悩んでいる人にとっては受難の年といえるでしょう。私のクリニックにも予防的に薬を希望する人や、早くも花粉症の症状に悩んでいる人が多く来院されています。これらの方からどうしたら花粉症が予防できるのか、治せるのか、といった質問をよく受けます。しかし、減感作療法といった特殊な治療法を除いて西洋医学では、花粉症を治せないのです。
花粉症について考えてみますとスギなどの花粉は、花粉症に罹る人がほとんどいない昔にも空気中を飛んでいました。また、成人になってから花粉症になった人も子供の頃からさんざんスギの花粉を吸ってきたはずです。さらに一時はスギの花粉のみを目の敵のようにしていましたが、最近ではヒノキ、イネなどの他の花粉で花粉症の症状が出る人が増えてきています。また、花粉の多いはずの田舎より都会の方が花粉症のひどい人が多いなど・・・。
これらの事を考えたとき、花粉症の本当の原因は花粉にあるといえるのでしょうか。
皆さんは、花粉症の本当の原因は花粉と思いますか。「以前から散々吸ってきた花粉が、あるときから突然、体に有害なものに変化する」、それは「本来は無害なはずの花粉に異常な反応を起こす人間の体の方がおかしくなった」と考える方が自然ではないかと感じます。
これから、花粉症の本当の原因、治療法についてお話していきたいと思います。
西田メディカルクリニック 西田 元彦